監査役と社長との定期的な個別面談は有効ですが、その前に大切なことがあります。
社長の信頼を得ていくことです。
信頼関係の構築はそれなりの時間が掛かります。地道に取り組むことです。
社長との個別面談に限らず、取締役会、経営会議などの重要会議に出席し、会社の状況を適切に把握されることはもちろんですが、疑問点について取締役などの説明を求めることも重要です。
また、会社に著しい損害を及ぼす恐れるのある事実を発見した場合に、会社の役職員から報告を受けられる環境作りも大切です。
「監査役に就任して最初の半年間は主体的には発言しませんでした。経営陣から聞かれたら応えるというスタンスで臨みました。
他社の役員を経験した監査役であれば、会社の問題点は直ぐに目に付くものです。重要なことは会社の問題点の提示だけでなく、問題点に対する複数の改善策まで考えられるかということです。当然、会社の実情まで把握する必要が大前提になります。それにはある程度の時間が必要です。監査役の仕事は功を焦ってはいけません。
監査役の仕事の前に、経営陣の信頼を得るまでは、経理陣との距離をどの程度にするのかを悩みました。」